道場の理念
道場訓十箇条
- 一、
道場に出入の際は、おもむろに低頭敬礼すべし。
- 一、
出入には見苦しからぬ服装をなし、和服の場合は袴を着すべし。
- 一、
敬虔の念を保ち、姿勢の端正を持すべし。
- 一、
静粛謹直にして、かりそめにも高談戯笑、拍手声援等すべからず。
- 一、
なるべく飲食後、相当の時間を置きて後稽古すべし。
- 一、
酒気ありては、稽古は勿論、道場に入るべからず。
- 一、
刀は己が魂なり、防具は甲冑なり、法式の如くことに鄭重に扱うべし。
- 一、
道場内は、旦暮洒掃して清浄を保つべし。
- 一、
他流を批判し、相互に技術を誹謗せざること。
- 一、
剣を学ぶ者は、短気我儘を戒め、争心あるべからず。 心常に和平なるを要す。
持田盛二先生遺訓
持田盛二 略歴
1885年(明治18年)1月26日~1974年(昭和49年)2月9日
剣道範士十段。号、邦良。「昭和の剣聖」と称される剣道家。群馬県勢多郡下川淵村(現在の群馬県前橋市)出身。
法神流免許皆伝の父善作から剣の手ほどきを受けた後、17歳で上京。中山博道の有信館、高野佐三郎の明信館で修行。大日本武徳会武術教員養成所を修了し、京都府警察部剣道教師、千葉県警察部剣道師範、東京高等師範学校講師、朝鮮総督府警務局剣道師範を歴任。
朝鮮総督府在職中の1929年(昭和4年)に御大礼記念武道大会剣道指定選士の部(天覧試合)で優勝したことから、野間清治に請われて野間道場師範に就任。野間恒・森寅雄ほか多くの剣士を世に送り出した。
座右の銘は「釼徳正世(剣徳世を正す)」。